屋敷稲荷の木を伐った祟り
どんな伝承か
所沢市西部でのことという。小学五、六年生ころ、学校へ行く途中に親戚の家の前を通りかかると、家の人が屋敷稲荷のそばの大木を伐ってもらっているところに出くわした。思わず神様のそばの木を切るとバチが当たるよと声をかけて通り過ぎたが、それから何日か後のこと、赤ん坊の子守りでその家を訪ね、夜に晩御飯をご馳走になった帰り道、木を伐っていた稲荷の近くまで来たところで「キャー、キャー」という変な声が二度聞こえた。慌てて家に帰ったが、送ってくれた親戚の娘は怖くて一人では帰れなくなり、父親が送って行った。そうしたところ、その家の祖母がまもなく亡くなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史)
『所沢市史 民俗編』は、所沢市の市史の民俗編から、第一二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。ヘビや天狗・カッパ・雷獣の話に続けて、世間話の「不思議な話」としてカラス鳴き・人魂・死の予兆・夢・木の祟り・生き霊・幽霊騒ぎ・タクシーの幽霊などを、市内の話者からの聞き書きで記す。話ごとに題を立てて同じ題の話を番号で並べ、話者の性別などを添え、ホラ吹きやオトウカドンの話も続ける。