酒を供えて湿疹が治った氏神
どんな伝承か
上會根の武藤家の裏山には大日如来を祭る氏神があり、眼病とおできを治す神として多くの人が参詣に訪れた。三十数年前、近所の家の三番目の娘の全身に急に湿疹が出て、医者にかかってもどんな薬を飲んでも治らなかった。占い師に見てもらうと、氏神のところに下水が流れ込んでいるせいだというお告げが出た。さっそく氏神の地に土を盛って一メートルほど高くし、酒を一献供えると、娘の病はたちまち快方に向かった。この神は大の酒好きで、酒を納めれば眼病やおできをすぐに治してくれるという。
原典より
この神様は、お酒が大好きで、酒を奉納すれば、眼病と、おできなら、たちどころに直してくれるそうである。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史)
『利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説』は、利根町が編んだ町史の一巻で、第一章を「民話と伝説」にあてる。町内を歩いて聞き集めた話と『北相馬郡志』などから引いた話を収め、大平権現や布川の地蔵の由来、バッソンの笑い話、大蛇・河童・むじなやキツネに化かされた話、押付新田の鶴殺し事件などを載せる。伝説と昔話に分けず文・布川・文間・東文間の地区ごとに節を立て、各話の題に伝承地を添え、話者名や方言の語釈を注記する。