嘘をつかない二六じいさんと金貨の箱
どんな伝承か
昔あるところに、二六じいさんという、子供のときから一度も嘘を言ったことのない老人がいた。父の死に際にどんなことがあっても決して嘘を言うなと言い聞かされたからである。ある日、山で焚き木を採っていると旅人が来て大きな箱を預け、後から来る者には違う方角を教えてくれと頼んだ。金貨を分けると言われても、刀を抜こうとされても、死んでも嘘は言わないと答えた。追ってきた旅人に、その木の陰に隠れていると正直に答えると、前の旅人は笑って褒美に箱を与えて去った。
原典より
けれども二六じいさんは「死んでも嘘を言いません。」とはっきり答えました。—— 壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史)
『壬生町史 民俗編――伝説』は、壬生町史民俗編のうち昔話と伝説の章を収めたものである。町史編さんの調査で町内の古老から集めた昔話を方言を生かして再話し、話者名を添えて動物昔話・完形昔話・笑い話・世間話に分けて並べる。伝説は吉次の墓・親抱きの松・大御堂などを動植物・歴史上の人物・塚と渕・神仏・地名に分け、地元の伝承に『郷土誌』『壬生領史略』などの文献からの引用を交えて載せ、一部の話に解説を付す。