元の場所へ戻りたがった庚申様
どんな伝承か
塩原には、あまんじゃくと呼ばれる土地があり、そこに庚申様が祭られている。道端に置いておくよりもう少し奥へ寄せたほうがよかろうと、七、八人がかりでようやく動かしたところ、庚申様は元の場所へ戻りたいと言い出した。そこで戻してやると、今度は驚くほどたやすく運べたという。
原典より
ここに祭ってある庚申様は、道ばたに置くよりいま少し奥の方に寄せた方がいいだろうと、七八人かかって、やっと移したが、元に戻りたいというので、戻す時は、実に簡単に来た。—— 大間々町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第19集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大間々町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第19集・群馬県民俗調査報告書)
『大間々町の民俗――伝説・怪異』は、群馬県民俗調査報告書第十九集『大間々町の民俗』のうち、口頭伝承の部である。大間々町の神梅・桐原・塩原・小平などで聞き取った、赤堀道玄の娘や伊勢ころがし、腰掛石、念仏石などの伝説、スズメとツバメや猿婿、蛙と猿の餅競争などの昔話、狐の嫁入り・むじな・河童・人魂・山犬・あずきとぎの怪異を収める。伝説・昔話・怪異・命名・諺と方言の五つに分け、冒頭に上野勇の所見を置き、多くの条の末に採集地か話者の名を添える。