百八発の屁で賭けに負けたへっぴり関
どんな伝承か
松井田町の入山出身の関という男は、世間で「へっぴり関」と呼ばれた屁の名人で、思いのままに屁をひり分けることができたという。本職は左官で、ちょんまげを結い尺八をたしなみ、蕗を売り歩くこともあった。いざ屁をするとなると必ず用を足しに行き、戻ると四つんばいに構えて、低い音や高い音はもちろん、うぐいすの谷渡り、音を長く引いて途中に区切りを入れるはしごっ屁など、数々の曲芸を見せた。店で賭けをして見事に百八発ひったが、一発おまけをしたので賭けに負けたという話もある。山で梯子にする木を見立てるところから、鋸で切り倒し、二つに割き、十三段に組み上げるまでを、口で説明しながら屁で演じ分けたともいい、よその土地の名人と比べても負けたことがなかったと伝わる。灘田のなべつるで七十八、九歳で亡くなった。
原典より
屁を思いのままに、ひり分けられることが出来る人だった。—— 妙義町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第25集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妙義町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第25集・群馬県民俗調査報告書)
『妙義町の民俗――伝説・怪異』は、群馬県民俗調査報告書第二十五集『妙義町の民俗』のうち、年取りの習俗と口頭伝承を収めたものである。上高田・菅原・大久保・中里などで聞いた、お菊さま・一山和尚・爪引き地蔵、天神様や弘法大師ゆかりの石・井戸・池、大桁山や妙義山の天狗と大蛇の伝説と、屁の名人へっぴり関の話、死の知らせや火の玉、化かされた話などの世間話を収める。口頭伝承は昔話・伝説・世間話と怪異・諺と謎に分かれ、各話の末に聞いた土地の名を添える。