歯を抜いたときの呪い
どんな伝承か
上野村の奥名郷で聞かれた歯の呪いである。歯を抜いたら、上の歯は床の下に、下の歯は屋根の上に、本人が自分で捨てる。その時に、おれの歯が先に生えろ、鬼の歯があとに生えろ、と唱えるのだという。同じ奥名郷では、いぼは八幡様の石を借りてきてなで、後に倍にして返す、しびれが切れたらごみを二つ額につける、シチンピヨー、くいたいところは隣の山にふっとべ、と言えば瘤が癒るなど、身体の不調に唱えごとで対する伝えが多く記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書)
『群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異』は、群馬県多野郡上野村で行われた民俗調査の報告のうち、聞書と俗信の部分を収めたものである。川和・住居附・野栗・奥名郷・勝山・乙父などの部落で聞いた講、病気の願掛けと呪い、雨乞い、禁忌と兆、山の神とオコジョ、オサキや狐つき、狐に化かされた話、一ツ目入道や山姥を、話者や部落名を添えて記す。上野勇、関口正、井田安雄らの聞書を部落ごとに並べる。