石くまを避けて作らぬ大人の足跡
どんな伝承か
『因幡怪談集』は、八東郡の村里の田畑に石くまが多いことを不審に思って尋ねたところ、村の老人がこう答えたと記す。むかし一夜のあいだに、長さ六尺余り幅二、三尺もあろうかという人の足跡ができ、三十間ばかり歩いた跡が続いていた。人と見て大いに驚き、これは人の足跡に違いない、枝の跡もある、いかにも鬼のしわざではないかと評したが、思い当たるものがない。どこまで行ったのかと跡を追ってみると、山際まで続いていた。そこでこれを大人の足跡と名付け、人々は恐れてその跡では作農をせず、よけていると語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。