米で馬を洗った亀尾城の落城
どんな伝承か
鳥取県日野郡日南町の亀尾山古都城は、宮中務小輔盛忠の居城であったと伝える。尼子晴久は出雲の赤名から備後の高野山へ出て、白根備中守の居城志富山を攻め落とし、比和で毛利氏と数年対陣したが、兵糧が尽きて引き揚げ、大軍を率いて三坂野を経てこの城へ押し寄せた。しかし城は要害堅固でなかなか落ちない。そこで城主と仲の悪かった萩原村の酋長長沢殿と通じ、その入れ知恵で、上萩山村へ向かう途中にある下の滝山の水が亀尾城の用水だと知り、これを断ち切った。城中では米を軍馬に振りかけて水で洗うように見せかけたが、毛の色が濡れて変わらないので見破られ、数十日の籠城の末に落城したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。