うつろ舟の姫と鴨姫社
どんな伝承か
宿毛市の沖ノ島に伝わる。今から三百五十年ほど前、島の海岸にうつろぎ舟が漂着した。島人が集まって見ると、若い姫君が鏡に向かって髪を梳りながら、自分は皇女だが悪病に冒され配流の途中なので助けてほしいと言った。しかし島の頭は蓋を閉じて海中に突き出してしまった。その時、一羽の鴨が来て箱に止まった。それ以来、不漁が続いて島人は困惑し、これを占うと、北部の白皇社は帝の皇子、われは女であるから手厚く祀れとのお告げがあった。そこでお堂を建立して鴨姫社と祀ると、再び漁があったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。