杵で電柱を叩いてつけた電気
どんな伝承か
江田には大正九年七月に電気が入り、上を下への大騒ぎになった。ある日、二、三の家で電気がつかなくなった。ある青年が、電気は生き物のようで不思議なものだから、おれが一つ叩いてみようと言い、自分の家から米を搗く杵を持ち出してきて電柱を叩いた。どうしたはずみか電気がぽっかりついたので、これは牛と同じことだ、言うことを聞かないときは叩くに限ると言い、それからもつかないときは杵で叩いたが、よくついたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。