馬と牛で決めた赤城と日光の境
どんな伝承か
昔、赤城さんと日光さんが領分争いをした。同じ時刻に出発して、出くわしたところを境にしようと決めたが、赤城さんは馬で飛んで来て、日光さんは牛に乗って来たので、名越のたたかいばたけというところで出会って戦った。そのあたりからは今でも矢の根石が出るという。押し問答の末、その場所を両国の境と定め、これをがみあい境という。数十年前までは、一月二日に足尾の妙見さまで、斎藤という家の主人が赤城へ向かって弓を引いたという。逃げるとき日光さんはサツマのつるに足をからませ、モロコシの切株で目を突いたので、栃木の人は片目が細いという。足尾では大黒様の使いの白ネズミが米を運んで来て食わせるのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県史 資料編 27(群馬県史)
『群馬県史 資料編 27』は、群馬県の県史の資料編の一冊で、収めるのはその「第三章 伝説」である。伝説の定義と分類、『神道集』や近世の地誌から明治以降の郡村誌・伝説集に至る県内の調査の歩みを述べ、赤城と日光の神戦、赤堀道元の娘と木部姫の入水、文福茶釜、羊太夫、弘法伝説などを群馬の伝説の特色として論じる。続いて代表例を自然的・社会的・信仰的伝説の三つに分け、各地の口承と古記録を伝承地を添えて並べる。