月輪の夜道に現れた大杉
どんな伝承か
小林やすの夫が、唐子にある実家へ馬を借りに行き、夜道を引いて帰ってきたときのこと。月輪にさしかかると、馬が何かにおびえるそぶりを見せた。ふだんはそこにあるはずのない、両腕で抱えきれないほど太い杉の木が目の前に見えたりしたので、足を止めて煙草を一服したところ、知り合いの家の明かりが見えてきたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滑川村史 民俗編(滑川村史)
『滑川村史 民俗編』は、埼玉県比企郡滑川村(今の滑川町)の村史の民俗編から、伝説と噂話の節を抜き出したものである。盗まれるのを拒んだ阿弥陀、生首八幡、福田鉱泉の始まり、河童の証文などの伝説と、オトウカ(狐)やムジナに化かされた話、三峯のオオカミ様、人魂や火柱などの噂話を、話者の地区とともに短い条で収める。沼と小高い山の多い村の、村人の身近な不思議の語りが中心である。