タイタニックと洞爺丸の惨事
どんな伝承か
タイタニック号の惨事は世界の海難史上最大の悲劇として、今も海運界の大きな関心事である。不沈を豪語した四万六千トンの巨船が処女航海で氷山に衝突し、千五百三名の命とともに海に消えた。戦時ならばともかく、平時にこれほどの大事故は前にも後にもない。これに次ぐものとして、昭和二十九年九月二十七日に北海道上磯郡七重浜沖で暴風のため転覆した青函連絡船洞爺丸の事故があり、乗客の死者千十一名、行方不明八十三名、乗組員の死者六十七名という大惨事となったと筆者は書き添えている。
原典より
「タイタニック」号の惨事は、世界の海難史上最大の悲劇として、今も世界海運界の大きな関心事となっている。—— 海の奇談(庄司浅水・海洋・怪異・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
海の奇談(庄司浅水・海洋・怪異・1961年(昭和36年))
『海の奇談』は、庄司浅水が一九六一年に著した、海にまつわる珍しい話の読み物である。古代からの海難と海の伝説、シーラカンスや海ヘビなど海の怪獣の話に加え、「ベッツィ」号の海賊事件、船上の反乱や怪死、グラーフ・シュペー号の最期、漂流や沈没船のなぞなど、欧米を中心とする海の事件の記録を扱う。全十五章からなり、終章のタイタニック号遭難には唯一の日本人乗客細野正文をめぐる一篇を加え、巻末にあとがきと追記を置く。