「タイタニック」号遭難の実相
どんな伝承か
木村毅氏がタイタニック号の遭難を取り上げた記事を新潟日報に発表した三日後、同紙投書欄「窓」に長岡市在住の長尾政之助さん(七四歳)が「タイタニック号遭難の実相」と題する一文を寄せた。長尾さんは渡米中に生存者細野正文氏本人から直接聞いた沈没時の様子を紹介し、当時日本人を卑怯者と非難した世論の誤りを正そうとしたものである。
原典より
木村毅氏のこの一文が発表されて、三日目の一一月一一日付「新潟日報」投書欄「窓」に、長岡市在住の一読者(長尾政之助七四歳)の「タイタニック号遭難の実相」なる一文が掲載された。—— 海の奇談(庄司浅水・海洋・怪異・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
海の奇談(庄司浅水・海洋・怪異・1961年(昭和36年))
『海の奇談』は、庄司浅水が一九六一年に著した、海にまつわる珍しい話の読み物である。古代からの海難と海の伝説、シーラカンスや海ヘビなど海の怪獣の話に加え、「ベッツィ」号の海賊事件、船上の反乱や怪死、グラーフ・シュペー号の最期、漂流や沈没船のなぞなど、欧米を中心とする海の事件の記録を扱う。全十五章からなり、終章のタイタニック号遭難には唯一の日本人乗客細野正文をめぐる一篇を加え、巻末にあとがきと追記を置く。