来い来いと呼ぶ友達と三日三晩の昏睡
どんな伝承か
古志郡山古志村の話。ある者が三日三晩、意識のないままであった。夢の中で友達が「そこへ来い、来い」と言うが、そこへは行かなかった。本人は「俺も連れて行ってくれ」と言っているのに、友達は「まだ来るな、来るな」と言う。付添いのお婆さん(五十嵐ミネ・明治三十五年生)は、そこへ行っていれば息が絶えたが、行かなかったからお前は助かったのだ、と語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。