昭和十一年のこと
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どんな伝承か
利根郡利根村での昭和十一年の話。話者の母は亡くなる前、十三日ほど何も食べられなくなり、一週間ほど前には意識不明となって親戚中が集まった。皆で「おっかあ」「おきんさん」「姉さん」と耳もとで呼ぶと、母はふっと息を吹き返し、祖母が好んで着ていた細かな柄の着物姿で花畑の向こうにおり、「まだ来るところじゃないよ」と言われた、皆に呼ばれて目が覚めたと話した。亡くなる日には、いつも呼ぶ父ではなく「おっかあ」とばかり呼んでいたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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