人間の顔をした一ツ目の仔馬
どんな伝承か
群馬県薄根村大字石墨の石井直衛方で飼馬が仔馬を産んだが、その仔馬は顔が人間そっくりの形をしており、目は奇怪にも顔にたった一つあるだけで、しかもその中に瞳が二つあるという稀代の畸形馬であった。これを伝え聞いた郡役所では学術研究の資料にしようと、早速調査に出張したが、仔馬は生後間もなく死亡してしまった。それでも、一つ目で人間の顔をした仔馬が生まれたという評判は広まり、石井方には毎日、黒山のように見物人が集まって来たということである。
原典より
群馬県薄根村大字石墨、石井直衛方の飼馬が仔馬を生んだが、その生れた馬の仔は、顔は人間そっくりの形で、目は奇怪にも顔にたった一つあるだけ、そして瞳は二つあるという稀代の畸形馬であった。—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。