平五郎塚で化け物と誤り殺された娘
どんな伝承か
安政元年の夏、武庫郡西灘村に三平という下男がいた。力自慢の大酒飲みで、ある夜、酔った勢いのまま、化け物が出ると恐れられていた平五郎塚へ正体を捕らえに行くと言い出した。夜更けに塚へ行くと十六、七の美しい娘が現れたので、三平はこれこそ化け物だと決めつけ、荒縄で縛り上げて力任せに投げ殺してしまった。ところがその娘は村の太兵衛の娘で、三平は人殺しの罪で捕らえられ、護送されていったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化と幽霊 怪談揃ひ(大文館編輯部(編纂))
『お化と幽霊 怪談揃ひ』は、播州を中心に摂津・淡路・大阪・神戸の怪異を集めた怪談集である。神戸のチャブ屋に残された下女の片足の靴、明石の坊主橋に出る按摩の怨霊、西瓜に浮かぶ女の顔、淡路洲本の白壁物語、西宮のねてこが池の怪などを、地名と人名を挙げて講談調で語る。三十余りの話を並べ、天保や明治九年の出来事とする話のほか、寄せられた原稿によるとことわる話も含む。