父を娘の家へ導いたお澄の幽霊
どんな伝承か
明治四十二年、神戸の夢野の墓地の近くで、お澄という女が首を吊って自殺した。彼女の父親は二十年前に娘と別れたきりであったが、善光寺の付近で娘の幽霊に出会い、導かれるようにして神戸の娘の家へたどり着いた。そこで娘がすでに死んでいることと、自分との因縁を知って、老父は泣き崩れたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化と幽霊 怪談揃ひ(大文館編輯部(編纂))
『お化と幽霊 怪談揃ひ』は、播州を中心に摂津・淡路・大阪・神戸の怪異を集めた怪談集である。神戸のチャブ屋に残された下女の片足の靴、明石の坊主橋に出る按摩の怨霊、西瓜に浮かぶ女の顔、淡路洲本の白壁物語、西宮のねてこが池の怪などを、地名と人名を挙げて講談調で語る。三十余りの話を並べ、天保や明治九年の出来事とする話のほか、寄せられた原稿によるとことわる話も含む。