霧のもやを下へ降りていった母
どんな伝承か
新潟県三条市の女性が語った母親の体験。母は臨終の際、霧のようなもやの中をどこまでも下へ落ちていくように感じ、やがて落ち着いたと思った瞬間、誰かに呼ばれて我に返ったという。三条市の郷土研究者渡邊行一が「三条市での死生観」と題してまとめ、民間伝承の会の機関誌「民間伝承」十巻三号に発表した臨死体験の一例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。