竹筒の酒で耳を治す加佐志の耳だれ地蔵
どんな伝承か
加佐志の墓地の入口に立つ地蔵尊は「耳だれ地蔵」と呼ばれ、古老はたいそう古くから耳だれにご利益があると伝えている。耳の悪い人は必ず酒を入れた竹筒を一本持参して地蔵に吊るし、前の人が供えた竹筒の酒を持ち帰ってすぐ耳につけると治るという。お礼には酒入りの竹筒を二本にして納める。近在での評判は高く、盛んなころは地蔵が見えなくなるほど竹筒が下がっていた。加佐志の人が耳の医者にかかると、加佐志には耳だれ地蔵があるだろうと言われるほどだったという。毎年四月と八月の二十四日が縁日で、昔は芝居も出るほど賑わった。
原典より
加佐志の墓地の入口にある地蔵尊は「耳だれ地蔵」といわれ、土地の古老は「この地蔵さまはたいそう古くから耳だれにご利益がある」と伝えている。—— 狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当))
『狭山市史 民俗編』は、狭山市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその「五 伝説・昔話・世間話」の部分が収められている。堀兼・入間・奥富・柏原・水富・入間川の各地区で古老の座談会と個別の聞き取りによって集めた話を、話者の地区・名・生年を添えて載せ、不老川や堀兼の井、影隠地蔵、キツネ、豪商綿貫家の話などを含む。伝説は水・動物・植物・地名・人物・塚・神仏・地蔵・妖怪変化など十項に分け、話ごとに[解説]を付す。