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鬼怒川の渡し舟で産んだシマさん

所在地栃木県塩谷郡塩谷町大字船生蟹沢(観音岩洞窟)
年代江戸
登場松島ヒロ、須藤シマ、須藤トヨ、須藤ヨネ、三角寛、藤倉修一、民俗研究者、一〇人を一人で産んだミナオシの女性、渡し舟で出産したと伝わる女性(姓は仮名)、母から話を聞いた伝承者、トヨの母・話の出所、NHK取材を仲介した作家、松島ヒロにインタビューしたNHKアナウンサー
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

儀礼をほとんど欠く出産もあった。ミナオシと呼ばれた非定住の箕作りたちは、産屋籠もりも安産祈願も無縁であった。松島ヒロは一〇人の子をすべて一人で取り上げ、へその緒も自分で切っている。須藤勝次の母シマも三人の男性とのあいだに七人を産み、いずれも人の手を借りなかった。昭和二年ごろ第六子を産んだ折り、シマは栃木県塩谷町佐貫の観音岩洞窟を引き払って移った蟹沢の小屋へ帰ろうと、臨月の腹で鬼怒川の渡し舟に乗り、その舟の中で女児を産み落としたと伝えられる。

原典より

花見潟墓地遺骨は穴に投げ入れる両墓制と散骨殯とは何か文献に見える古代の殯—— 村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

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