豊前坊の天狗倒しと空の笑い声
どんな伝承か
彦山大天狗は鼻が高く翼が生えており、日本八大天狗の随一といわれる。豊前坊の宿は杉の老木が深々と茂り、石道の苔が深く、絶壁の下にある。窟の口に社があり、奥の院は洞中の深いところで、祭神は豊日別尊すなわち豊前坊である。この辺りは彦山名物の天狗倒しの鳴動が最も多い所とされる。中宮に籠る夜など、月のよい晩でも忽然と大嵐となって万木が乱れ伏し、礫のような雨に石が混じって撃ち、奔雷が耳を破って山谷が震動する。やがて空中で百千人が一時にどっと笑う声がして嵐は収まり、跡には木の葉一つ落ちていないという。
原典より
春の海ゆたゆたと瀬え、太陽の光あまねく南島をおおう、琉球沖縄島の安謝湊の海辺での物語である。—— 講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)
『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。