神の構え太刀に触れて負う傷と伊勢暦の灰
どんな伝承か
新発田市の旧市街では、かまいたちの傷を神の怒りによるものと考えていた。神が太刀を構えて立っているところへ、人がうっかり入り込むと、その怒りに触れて刀傷を負うのだという。傷には伊勢暦を焼いた灰を付ければ治るとされ、暦をぞんざいに扱うとかまいたちにかかるとも言われた。『新発田市史資料』第五巻に記された言い伝えで、報告者の大竹信雄は、この話者がかまいたちについていくらか知識を持っていたのではないかと推し量っている。
原典より
新発田市旧市内では、かまいたちは、神様が太刀を構えて立っていた場所へ人間が入り込み、神様の怒りに触れて刀の傷を負ったのだといいい、…—— かまいたち談義(大竹信雄・高志路1998年8月号) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
かまいたち談義(大竹信雄・高志路1998年8月号)
『かまいたち談義』は、大竹信雄がかまいたちについて論じた民俗学の論考である。北蒲原郡笹神村と柏崎市・刈羽郡小国町で集めた、かまいたちにかかった体験九例を挙げ、辞書や『北越奇談』などの説明から構え太刀説・つむじ風説・真空説・筋肉の急な動きによる生理現象説を整理する。「はじめに」から「おわりに」まで六節に分け、体験例の共通点から境界性を論じ、妖怪かまいたちの性格と、『東遊記』や『北越奇談』に見える越後七不思議との関わりを考える。