天候の予知(地域特有)
どんな伝承か
佐久町は東の十石峠から西の横岳まで東西に長く、地域ごとに天候の前ぶれの言い伝えがあった。大日向では蓼科山の残り雪が猪の形になれば遅霜の心配はないとして種まきにかかり、「槙沢雨の館こぼし」といって槙沢の方に見える雨は館あたりにぱらつくだけだとした。茂来山の峰に霧がかかる間は梅雨が上がらないともいう。上区では大岳の残雪が八の字になれば霜はないとし、十二新田から来る夕立は強いとした。畑中では十石峠と余地峠に境霧が立つと雨、アク山の上に晴間が出れば天気になるという。館には楯ノ六郎の陽気占いがあり、月見石から旧暦一月十五日の月の入りを見て豊凶を占った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌)
『佐久町誌 民俗編――俗信』は、十石峠から横岳に及ぶ佐久町の町誌のうち、町内の俗信を扱った民俗編の一部である。大日向・余地・高野町・上区・花岡など各地区で採集した天候や作柄、火事や死の予兆、夢と縁起、易者や戸隠神社の御籤による占い、厄病よけや雷よけのまじない、死や産にかかわる忌み、ものもらいの民間療法などを記す。予知(予兆)・占いと呪い・物忌み・民間療法の節に分け、項目ごとに地区の言い伝えを地区名とともに並べる。