狐に化かされて用水に入る
どんな伝承か
私のおやじはぼんくらなもんだから、飲めもしない酒を無理に飲み、狐に化かされたことがあった。付き合い酒をしこたま飲んで帰ってくる途中、ナマドの用水に差しかかると、風呂にでも入っているつもりになったのだそうだ。そのとき、遠くの方に灯りが並んで見え、ついたり消えたりしたのを見て、ようやく気がついた。すると用水の中に入っていたのだという。家に帰って来たときはびっしょり濡れていて、みなたまげたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
八潮市史 民俗編――伝説・怪異(八潮市(編)・八潮市史)
『八潮市史 民俗編――伝説・怪異』は、八潮市が編んだ市史民俗編のうち、伝説を扱う部分である。埼玉県八潮市の各地区で聞き取った稲荷火や狐の嫁取り提灯、狢・河童・蛇の話、徳川家康の鷹狩りにちなむ地名の由来、地蔵や人魂、念仏橋の話を、話者の言葉づかいのまま地区名を添えて収める。概説のあとに自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三つに分けて並べ、話ごとに『日本民俗事典』や『武蔵の伝説』を引いた参考を付ける。