景政の鞭が根づいた文珠寺の鞭桜
どんな伝承か
大蛇の地にはかつて文珠寺という寺があった。鎌倉権五郎景政の冥福を祈るため、景政をまつる五良神社の隣に建てられたもので、境内には幹回り一丈、枝が十二、三間四方に広がる桜の大木があり、花の季節には人が群れ集まって寺もにぎわったという。言い伝えでは、目に矢を受けた景政が七日七夜敵を追ってこの地に至り、鞭を地面に挿して休んだまま忘れて立ち去った。その鞭が桜で、根づいて枝を伸ばし、逆さに挿したため八重の花が逆さに咲いたという。花が五色に咲いたともいい、鞭桜とも五色桜とも呼ばれた。
原典より
その鞭が桜であったので、そのまま活きて枝を生じ、八重桜の花が逆さに咲いた。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。