飢饉の略奪から寺を守った光る鐘
どんな伝承か
天保七年の大飢饉のとき、土地の親分が先頭に立って豪農や大きな商家を襲い、金や米を奪い取った。寺の鐘まで盗み出す有り様で、一味は福木の真福寺にも押しかけた。ところが鐘から光が放たれ、得体の知れない人物が現れて行く手をはばんだので、一同は恐れをなして逃げ去ったという。この話は、福木の五軒家に生まれた野口如月の著した『北相馬郡志』に載っている。
原典より
もちろんこの真福寺へもやってきたが、不思議や、鐘から光が発し、不思議な人物があらわれて、防いだので、皆ともにおそれをなして逃走したという。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史)
『利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説』は、利根町が編んだ町史の一巻で、第一章を「民話と伝説」にあてる。町内を歩いて聞き集めた話と『北相馬郡志』などから引いた話を収め、大平権現や布川の地蔵の由来、バッソンの笑い話、大蛇・河童・むじなやキツネに化かされた話、押付新田の鶴殺し事件などを載せる。伝説と昔話に分けず文・布川・文間・東文間の地区ごとに節を立て、各話の題に伝承地を添え、話者名や方言の語釈を注記する。