一晩じゅう堀を歩かされた花嫁
どんな伝承か
立崎のキゼモどんのじいさまは魚とりが好きで、毎朝早く起きては新堀に仕掛けておいたウナギダルを上げに行っていた。ある朝いつものように行くと、若い女が腰巻ひとつで堀の中を「おお、ふけえ」と言いながら歩いている。何をしているのかと声をかけると、女ははっと我に返った。前の晩、しまい湯の湯を抜いて、夫の待つ寝間へ戻る途中で狐に化かされ、夜通し堀の中を歩き続けていたのだという。
原典より
ある朝いつものように新堀へ行くと、若い女が腰巻ひとつで堀の中を「おお、ふけえ。おおふけえ」と歩いていた。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史)
『利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説』は、利根町が編んだ町史の一巻で、第一章を「民話と伝説」にあてる。町内を歩いて聞き集めた話と『北相馬郡志』などから引いた話を収め、大平権現や布川の地蔵の由来、バッソンの笑い話、大蛇・河童・むじなやキツネに化かされた話、押付新田の鶴殺し事件などを載せる。伝説と昔話に分けず文・布川・文間・東文間の地区ごとに節を立て、各話の題に伝承地を添え、話者名や方言の語釈を注記する。