貧乏神と福の神を言い返したバッソン
どんな伝承か
布川から羽中村へ来る中道で、百姓が田の草取りをしていた。そこへ、魚の行商をしていたバッソンが、羽中村のほうへ売りに来て通りかかった。百姓がからかって、おおい、貧乏神どこさいくだ、と声をかけると、バッソンは、ああや、おらあ、おめんちへいくだ、と答えた。貧乏神に入り込まれてはたまらないと頭にきた百姓は、一日中やり返す言葉を考えていた。バッソンが帰ってくる姿を見ると、すかさず、おおい、福の神、どっからけえってきた、と声をかけた。バッソンは内心にやりとして、ああよ、おらあ、おめえんちから出て来ただあ、と答えたという。
原典より
布川から羽中村へ来る中道で、お百姓が田の草取りをしていた。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史)
『利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説』は、利根町が編んだ町史の一巻で、第一章を「民話と伝説」にあてる。町内を歩いて聞き集めた話と『北相馬郡志』などから引いた話を収め、大平権現や布川の地蔵の由来、バッソンの笑い話、大蛇・河童・むじなやキツネに化かされた話、押付新田の鶴殺し事件などを載せる。伝説と昔話に分けず文・布川・文間・東文間の地区ごとに節を立て、各話の題に伝承地を添え、話者名や方言の語釈を注記する。