肉刺のまじない
どんな伝承か
白岩の奥三里ばかりのところに弥次平という所がある。大昔、ここに弥次右衛門という健脚の山賊がいた。上州・甲州・信州を荒らしまわっては、必ずその日のうちにここまで帰ったそうだ。屋敷跡といわれる所には今もきれいな水がわき出し、使った石臼も残っている。あるとき、さすがの弥次右衛門も足の裏に大きなまめをつくって困ったが、まめに向かって何やらつぶやいたところ、その痛みがなくなったという。今でも村の人たちは、まめができると「弥次右衛門のいったことを忘れたか」と口の中で三回くり返す。そうすればどんなまめでも必ず痛みが無くなるという。
原典より
白岩の奥三里ばかりの所に弥次平というところがある。—— 南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌)
『南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話』は、長野県南佐久郡の郡誌民俗編から、第十三章「伝説と歌謡」の昔話・伝説・世間話の部分を収めたものである。郡内に伝わる鳥呑み爺や古屋のもりなど十一話の昔話、離山・白駒の池・おかんばあさんなどの伝説、光り物・あずきとぎ・天狗・かっぱ・狐火・家つき童子などの世間話を集める。伝説の後半には藤沢衛彦編『日本伝説叢書・信濃の巻』から佐久に関わる話を原文のまま引き、世間話は話題ごとに体験談を並べる。