蓑笠を着せた地蔵の年越しの礼
どんな伝承か
むかし、あるおじちゃんが年越しなので蓑や笠、草鞋を作って町へ売りに出かけた。少しも売れずに帰ってくると、途中で雪の降るなかにお地蔵様が寂しそうに立っていた。おじちゃんはお地蔵様に、これを寒かろうから着てろ、金はいらないと言って、蓑と笠と草鞋を着せて帰ってきた。次の朝、トントンと音がするので起きて見ると、そのお地蔵様が夜のうちに正月の米や食べ物を置いていってくれた。これでおじちゃんはよい年越しができたという話もある。
原典より
少しも売れないで帰ってくると、途中でお地蔵様が雪が降っているのに寂しそうに立っているんだって。—— 壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史)
『壬生町史 民俗編――伝説』は、壬生町史民俗編のうち昔話と伝説の章を収めたものである。町史編さんの調査で町内の古老から集めた昔話を方言を生かして再話し、話者名を添えて動物昔話・完形昔話・笑い話・世間話に分けて並べる。伝説は吉次の墓・親抱きの松・大御堂などを動植物・歴史上の人物・塚と渕・神仏・地名に分け、地元の伝承に『郷土誌』『壬生領史略』などの文献からの引用を交えて載せ、一部の話に解説を付す。