墓場の男たちにもらった大晦日の火
どんな伝承か
むかし、意地悪な姑がいた。その家では大晦日の火を元旦まで絶やさず、その火で元旦の雑煮を作ることになっていた。姑は自分もそう言われてきたのだからと、嫁に寝ずの番をさせた。嫁はつい居眠りをして火を消してしまい、どこかから火をもらってこなければならなくなった。夜中に外へ出ると、墓場で男たちが五、六人で火にあたっている。嫁は恐ろしかったが勇気を出してわけを話し、火をもらってきて翌朝まで燃やしたという話を聞いた、と語られる。
原典より
そして、夜中に外に出ていったら、墓場では、男たちが五、六人で火にあたってんだって。—— 壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史)
『壬生町史 民俗編――伝説』は、壬生町史民俗編のうち昔話と伝説の章を収めたものである。町史編さんの調査で町内の古老から集めた昔話を方言を生かして再話し、話者名を添えて動物昔話・完形昔話・笑い話・世間話に分けて並べる。伝説は吉次の墓・親抱きの松・大御堂などを動植物・歴史上の人物・塚と渕・神仏・地名に分け、地元の伝承に『郷土誌』『壬生領史略』などの文献からの引用を交えて載せ、一部の話に解説を付す。