姥棄ての話(前半)
どんな伝承か
むかし、ある村では六十になった親を棄てることになっていた。ある家の母が六十になったので、子は母を背負って山へ棄てに行った。母は道々木を折って印をつけていった。とうとう置いてくる所まで来たとき、どうせ棄てられるのになぜ印をつけたのかと子が聞くと、母は、おれは山で死ぬがおめえは家へ帰るのだから道を間違えては大変だと答えた。子は、そんなに思ってくれる母を打ち捨ててはこられないと思い、また背負って家へ帰り、土蔵の中に隠しておいたという。
原典より
むかし、むかしある村の話だけれど、六十になった親を棄てることになっていたんだってさ。—— 壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史・自治体史(民俗))
『壬生町史 民俗編』第2節所収の伝説。栃木県壬生町に伝わる樹木・塚・渕・神社・地蔵・地名の伝説を採録する。