御舟で蟒蛇と山伏が舞う布川神社の祭礼
どんな伝承か
利根町布川の布川神社は、後嵯峨院の寛元年間に豊島摂津守が建てたと伝わる。毎年陰暦の十四日から十六日までの三日間が祭礼で、初日には〆切という所に仮殿を設けて神輿を移し、山車を出してヒョコト踊りが行われ、老若男女が集まって昼夜にぎわう。十六日に神輿が本殿へ戻ると、境内に船の形を作って御舟と呼び、長さ八間ほどの帆柱を立てる。雨蛙の面をかぶり立付をはいた舞人が竹弓を持って柱に登りさまざまな舞をし、一匹の蟒蛇が人を呑もうとするのを山伏が防ぎ守るさまを演じる。素戔嗚尊の故事になぞらえたものであろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
相馬伝説集(寺田喜久(狂花)・相馬郷土研究・1922年(大正11年))
『相馬伝説集』は、寺田狂花が著し、大正十一年二月の自序を付した下総相馬地方の伝説集である。北相馬郡の小文間・布川・取手・守谷などを中心に、平将門や一色宮内にまつわる伝承、寺社の縁起、城址や墓碑、相馬霊場の札所を記し、猿島郡・結城郡・東葛飾郡などの伝説にも及ぶ。巻頭に緒言と坂巻湖舟の序・自序を置き、「△」を付けた小項目を土地ごとに並べ、『相馬日記』『下総旧事考』などの記事を引き、相馬の俗信も書き留めている。