トップ > 埼玉県の伝承 > 新座市

高野山で覚円を導いた引導地蔵

所在地埼玉県新座市大和田(引導地蔵)
年代伝承
登場覚円、普光明寺の住職・夢で地蔵に道を教えられた体験者
出典新座市史 第4巻(民俗編)――伝説と昔話

どんな伝承か

大和田の普光明寺の山門の右脇に朱塗りの小さな祠があり、引導地蔵と呼ばれている。いぼを落としてくれるといわれ、近郷から供えた線香の灰をもらいに参る人が多かった。文化二年、この寺の住職覚円は本山の智積院へ上ったおりに高野山へも足を延ばし、深い杉木立の中で道を見失った。疲れて眠ると、夢に地蔵が立ち、自分の顔の向く方へ下山せよと告げた。そのとおりに歩くと無事にふもとの村へ出られたので、覚円は寺に戻ってその姿を石に刻み、祠を建てて祀った。のちに外出しかけた覚円を地蔵が「どこへ行く」と呼び止めたことから、覚円は出かける前に必ず地蔵に告げるようになり、村人も旅立ちの前に参って道中の無事を祈ったという。

原典より

おしょうさんは、お寺に帰ると、さっそく夢に現われ、道を教えてくれた、このお地蔵さまの姿を石にきざみ、祠を立てて供養しました。—— 新座市史 第4巻(民俗編)――伝説と昔話(新座市(編)・新座市史) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

新座市史 第4巻(民俗編)――伝説と昔話(新座市(編)・新座市史)

『新座市史 第4巻(民俗編)――伝説と昔話』は、新座市が編んだ市史の民俗編のうち、第四章「伝説と昔話」にあたる部分である。野火止の地名と在原業平の東下りを結ぶ伝説を『伊勢物語』や『新編武蔵風土記稿』などの記録とあわせてたどり、妙音沢・かしらなし・小僧ヶ淵・強清水などの場所をめぐる話、観音や地蔵の霊験・縁起の話を取り上げる。節ごとに解説を置き、『こども広報にいざ』などに載った再話や古老からの聞き書きを引く。

種別から探す

伝説地蔵夢告いぼ取り

新座市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『新座市史 第4巻(民俗編)――伝説と昔話』の伝承