十の字――むじなの怪火
どんな伝承か
皆川の東宮神社近くの東郷堀のむこうに、陽が沈むと提灯のような灯がポカッポカッと同じ間隔で並んで動かず怪しく光った。『あいつはむじなだ』『あれは十の字だ』と言うが本当に見た者は少なく、鉄砲打ちが背負い篭で見せたという、むじなの怪火『十の字』。
原典より
春さきのまだうすら寒い、雨でも降りそうな日だった。—— 栃木市史 民俗編――伝説・民話(栃木市(編)・栃木市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
栃木市史 民俗編――伝説・民話(栃木市(編)・栃木市史)
『栃木市史 民俗編――伝説・民話』は、栃木市が編んだ市史民俗編のうち、第九章「言語伝承」の部分である。芝塚山の太刀割り石、有馬皇子と「このしろ」、源義家や弘法大師にまつわる地名伝説、狐の嫁入りやむじなの怪、あずきとぎなど、市内に伝わる伝説・民話と昔の子供の暮らしの思い出を収める。多くの話の末尾に原話者と採話者の名を記し、後半には鳶の木遣りや田歌の詞章を収める。