追手を睨み返した見返り如来
どんな伝承か
堂森の善光寺には見返り如来尊と呼ばれる秘仏がある。桧の寄木造りに漆を塗ったもので、京の仏師快慶派の傑作と伝えられ、顔のやさしさ、衣の流れるような美しさは、拝む者に浄土を思わせるという。源義朝と戦って敗れた長田庄治忠次の妹、益王姫は尼となってこの堂森へ難を逃れた。追手に見つけられそうになったとき、如来が鋭い眼で追手を見返って睨みつけると、追手はばたばたと倒れたという。それ以来この如来は見返りの姿になったのだといい、寺には如来とともに益王姫と忠次の木像が安置されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。