山の神が乗り移る笹野の作柄託宣
どんな伝承か
山形県米沢市の笹野部落では、毎年四月一七日の祭に山の神のお告げを聞く。ここは郷土玩具のオタカポッポ、笹野彫りで知られる部落である。昭和三六年に山の神のお使いになったのは、同部落の農業、加藤宗雄であった。水ごりを取り、白衣に目かくしで神前にぬかずき、氏子たちが唱詞を唱えていると、やがて山の神が加藤の体に乗り移って託宣をたれる。この年の託宣は、今年の作況は八歩、水六歩で豊作、霜害火難盗難なし、というものであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。