泡立つ池の水面に浮かんだ三社託宣
どんな伝承か
透明体幻影の一例として引かれる話。奈良東大寺内の三社の池の由来として、昔、東大寺二世の聖宝信正がある日春日本社へ参詣する折、この池のほとりを通ると、夢中の告と同じく、泡立つ水面に三社の託宣が現れ見えたという(周遊奇談)。今世の人々が信仰する託宣の始まりとされる。著者は、これも事実だとすれば、水面など透明体を凝視して幻影が現れる透明体幻影であったのだと解する。
原典より
或日春日の本社へ参詣の折柄、此の池の邊を通りたまふ時、夢中の告と等しく、泡水に三社の託宣現はれ見えたり、今の世に人々信仰する處の託宣のはじめなり—— 心霊学講義(変態心理学講義録)(小熊虎之助(述)・日本変態心理学会・心霊学・変態心理学) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊学講義(変態心理学講義録)(小熊虎之助(述)・日本変態心理学会・心霊学・変態心理学)
『心霊学講義(変態心理学講義録)』は、文学士小熊虎之助が述べ、東京の日本変態心理学会が出した心霊学の講義録である。心霊研究の態度と詐術の例から説き起こし、こっくりさんなどの自働現象、精神感応、交霊、透視と未来の予知、心霊物理現象、騒ぐ幽霊を、英国の心霊現象研究会の調査例や講者が盛岡で確かめた事例を引きながら心理学の立場から論じる。終章で長尾夫人や三田光一の念写を検討し、巻末に内外の参考書解説を付す。