若狭湾と通じるという東大寺の閼伽井
どんな伝承か
東大寺二月堂の石段の下に、古くから伝わる閼伽井という井戸がある。お水取りの行事で知られるこの井戸は、地の底で日本海の若狭湾とつながっていると言われている。はるばる日本海から地下を通ってくる水だからこそ、ありがたいのだという。奈良市長の鍵田忠三郎が、大和平野の地下に浜名湖ほどもある地底湖が眠っていると言い当てた話に続けて、著者は、奈良の地底に川や湖が潜んでいるのは十分に考えられることだとして、この言い伝えを引いている。
原典より
お水取りで有名な井戸だが、実は日本海の若狭湾と地底でつながっていることが知られている。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。