美容院へ出たまま消えた二人の少女
どんな伝承か
大阪市住吉区に住む杉谷茂の三女千鶴(当時中学三年生)が姿を消したのは、二月十七日の夜であった。千鶴はその日の夕刻に銭湯から帰り、髪がしわくちゃになったから美容院へ行くと言って母から三百円を受け取り家を出た。同じ頃、仲良しの三田喜美(中学三年生)も「千鶴ちゃんとカットに行く」と言って家を出た。二人はそれきり帰らなかった。住吉署が捜査したが手がかりはなく、所持金も少なく突っかけ草履の普段着のままで、示し合わせた家出とも考えられなかった。一年経っても消息はつかめなかったという。
原典より
大阪市住吉区に住む杉谷茂さんの三女、千鶴さん(当時中学三年生)が姿を消したのは、二月十七日の夜だった。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。