一夜で池に背を向けた采女神社
どんな伝承か
奈良公園の入口にある猿沢の池は、小さいながら池畔の柳や興福寺の塔を水面に映す美しい池だが、不思議な現象の起こる場所としても知られる。池の東岸には衣かけ柳が、西岸には采女神社があり、この社はなぜか池に背を向け、鳥居を背負うような形で建てられている。言い伝えでは、昔奈良の帝に仕えた采女が、帝の寵愛が薄れたことに望みを失い、池に身を投げた。そのとき衣をかけた柳が池畔の衣かけ柳である。帝は采女を哀れんで池のほとりに社を建てて祀ったが、采女は自ら命を絶った水を見るのが恨めしかったのか、社は一夜のうちに池に背を向けてしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。