トップ > 奈良県の伝承 > 奈良市

明月記が記す南都の猫また

所在地奈良県奈良市
年代天福元年(1233)八月
登場藤原定家が記録
出典妖怪伝説奇聞

どんな伝承か

鎌倉時代の歌人藤原定家がつけていた日記『明月記』には、天福元年八月二日の条として奇怪な噂が書き留められている。奈良——当時の呼び名で南都——に猫またと称する獣が現れ、ひと晩のうちに七、八人が襲われて咬みつかれ、傷がもとで落命した者まで出た。やがて誰かがその獣を打ち殺したものの、町ではその話でもちきりだと、定家のもとへ使いに来た少年が語ったという。年を経て妖力を得た老猫で、尾の先が二股に裂けているとされた猫またが、史料に姿を見せる古い例のひとつである。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))

『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。

種別から探す

怪猫

奈良市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『妖怪伝説奇聞』の伝承