武太夫自筆と伝わる三次実録物語
どんな伝承か
広島市内の稲生神社(稲荷町)には、数々の妖怪を退治し人々を守ったという稲生武太夫が魔除け・強運の神として祀られている。宮司によれば昭和二十年の原爆で古い史料は焼失し、武太夫が祀られた経緯は判然としないという。武太夫ゆかりの寺社は国前寺(山根町)にもあり、住職・疋田英親によると、魔王から授かったとされる『如意宝ばけもの槌』は宝暦(一七五一)頃、浅野藩の兵法指南役だった武太夫が化物退治の名人でもあったことに由来し、毎年一月七日の稲生祭で公開されているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。