男女の双子を産んだ母の母子心中
どんな伝承か
静岡県掛川市で、男女の双生児を生んだ二十四歳の若い人妻が、生後二か月の子供たちを道連れに自殺する事件が起きた。男女の双生児は心中の生まれかわり、畜生腹だから一方は捨て子にするか、あるいは将来夫婦にしなければならないといった俗信がまだ全国的に忘れられていなかったことを示す出来事として、新聞雑誌は「双生児迷信の悲劇」と大きく報じた。事件の関係者や知人は、当人はむしろその迷信を笑って取り合わない側の人だったとし、周囲が「気にするな、迷信だ」と忠告した言動がかえって影響したのではないかと語っていたという。
原典より
男女の双生児を生んだ二四歳の若い人妻が生後二カ月の子たちを道連れに自殺した。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。