白ぎつねのお告げの火事
どんな伝承か
上野村の住居附で聞かれたオサキの話である。Kが朝、茶を飲みながら、ウワツタイラのおじごが火事だと言い出したので、村中が大騒ぎになった。それは白ぎつねのお告げが夢に現れたのだという。この土地ではオサキが、ジョーダン、チューダン、ゲダンという時期に騒ぐことがあり、二十年目、六十年目に巡って来て、ゲダンの時にことに騒ぐと言われる。Kはオサキツキと言われており、通ったと思っても足跡がない、養蚕や繭を人に見せたがらない、繭を売る時にはかりにオサキが乗る、といった話も語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書)
『群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異』は、群馬県多野郡上野村で行われた民俗調査の報告のうち、聞書と俗信の部分を収めたものである。川和・住居附・野栗・奥名郷・勝山・乙父などの部落で聞いた講、病気の願掛けと呪い、雨乞い、禁忌と兆、山の神とオコジョ、オサキや狐つき、狐に化かされた話、一ツ目入道や山姥を、話者や部落名を添えて記す。上野勇、関口正、井田安雄らの聞書を部落ごとに並べる。