墓地で冷たい手を当てるむじな
どんな伝承か
墓地のような寂しい場所では、よくむじなに悪戯をされるという。ことに月のない夜はそうした場所が真っ暗になるから用心しなければならない。そんな夜、むじなは墓のノロシにつかまっていて、脇を通る人の頬や体に冷やっこい手を押しつけたり、足にからみついたりして驚かす。驚いた人が持ち物を放り出して逃げ出すのを狙っているのだという。草加市吉町二丁目の話者が語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史)
『草加市史 民俗編――伝説』は、草加市が編んだ市史民俗編のうち、伝説の章である。柿木や青柳など市内各町の地名の由来、塚、毛長神社や弁才天などの神々、疣地蔵・火あぶり地蔵などの地蔵・薬師・観音、旅の僧、狐・むじな・狸・雷獣といった動物や妖怪の伝えを、『新編武蔵風土記稿』や縁起碑、土地の人からの聞き書きによって記す。地名起源から動物・妖怪まで九つの節に分け、聞き書きの話には町名と話者の頭文字・生年を添える。