岩富の寺でお題目の日
どんな伝承か
岩富の年寄りは昔からお題目のために寺へ集まり、皆そろって住職の太鼓に合わせて題目を唱え、先祖を拝んだものである。あるお題目の日、可愛がっていた白い犬を連れて寺へ行った老婆が、何げなく山門の白を見ると、そのそばに一匹のむじなが後足で立ち、前足で白の頭をちょいちょいつついている。むじなが老婆に化けて犬の頭を撫でているのであり、白はてっきり老婆と思い込んでいた。見かねた老婆が本堂から「白、しめろっ」と大声で叫ぶと、白は一瞬きょとんとしたがとっさに正気に戻り、むじなの正体を見破って首をくわえ、二度三度と大きく振り回した。まもなくむじなは息絶えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史・自治体史(民俗))
『佐倉市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説・怪異。千葉県佐倉市に伝わる口承を採録する。