毎晩唸り出したごぜの行人塚
どんな伝承か
生き仏をまつる行人塚が、あるとき唸り声を上げ始めた。人々は地面に耳を当てて聞き入り、毎晩続くので恐れた。塚は永宝八年の信道貞庵大姉というごぜの墓で、大正十二、三年ごろに掘り返して確かめてみたという。のちに、あの唸りはムササビの鳴き声だったのだとも言われた。
原典より
生き仏の行人塚が、唸り出したことがあった。—— 高山村の民俗――昔話(群馬県民俗調査報告書 第21集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高山村の民俗――昔話(群馬県民俗調査報告書 第21集・群馬県民俗調査報告書)
『高山村の民俗――昔話』は、群馬県民俗調査報告書の第二十一集から、年中行事の末尾と「口頭伝承」の部を収めたものである。口頭伝承は昔話・伝説・世間話の三つに分け、桃太郎・蛇婿入り・食わずの女房などの昔話、弘法の投筆や椀貸の渕・小太郎渕の伝説、怪力の馬之丞やアズキトギ・見越シ入道・かくしばあさんの世間話を載せる。各話の末尾には、中山字原・尻高字熊野・北之谷などの採録地と話者を添える。